やまに

美濃焼の産地より陶磁器食器・業務用食器を卸売販売。オンラインショップ形式で簡単発注。食器卸売問屋ならではの幅広い品揃えで魅力ある食器を全国へお届けしています。

リサイクル食器(Re-食器):貴重な資源を大切に使い続けるための取り組み

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Sep29

リサイクル陶土の原料

みなさんは使わなくなった不要な食器をどのように処理していますか?
たぶん多くの方は、不燃ごみとして捨てているかと思います。

そうして捨てられた食器は主に埋め立てゴミとして廃棄されますが、実はこの埋め立てた食器、1000年経っても土には還らないのです。

「このような現状をなんとかしたい!」

『Re-食器』は美濃焼の産地、東美濃の生産者たちのそんな思いから生まれました。

「Re-食器」って、そもそも何?

『Re-食器』(りしょっき)という語感から中古の食器をイメージされる方もいるかと思います。
しかし、この『Re-食器』とは誰かが使用したあとの中古の食器ではありません。

不要食器や使用済み食器を回収し、粉砕して陶土に混ぜ、成形・焼成し、再び新しい食器としてアップサイクルした食器の事なのです。
リサイクル陶土食器というとしっくり来るかもしれません。
近年ではSDGs関連の食器として注目を集めています。

「Re-食器」に生まれ変わるまでの過程

主に6つの工程で不要食器はRe-食器として新しい食器へと生まれ変わります。

①家庭、レストラン、カフェなどで使われた使用済み食器を回収。

協力頂いている自治体や市民団体などで回収イベントを開催して頂いています。

②食器用粉砕機で1ミリ以下になるまで粉砕します。

集められた不要食器を食器用の粉砕機で粒子が1ミリ以下になるまで粉砕します。

③20%や50%の割合で粘土などに混ぜ込み陶磁器・焼き物をつくる坏土(はいど)に再生。

粉砕した不要食器を20%含むRe-20、50%含むRe-50の2種類があります。

④再生坏土(リサイクル土)を練った後、食器などをロクロや鋳込みで成形、焼成。

粉砕された食器は成形・焼成を経て、ふたたび・・・

⑤「Re-食器」として商品化・販売

毎日の生活をちょっとだけ幸せにするエコ食器に生まれ変わります。

⑥エコロジーな器として使用、そして再び①の過程へ…

「Re-食器」と「GL21(グリーンライフ21・プロジェクト)」

食器のリサイクルを実現するには、不要食器の回収、運搬、資源化のための粉砕、粘土作り、食器の作成、流通させる卸売りなどの一連の企業が集まらないと成り立ちません。

日本全体のおよそ6割の器を生産している美濃の地で、関連する企業や試験研究機関が1997年に設立したのが『GL21(グリーンライフ21・プロジェクト)』です。
陶磁食器の資源循環・リサイクルさせるため取り組みを行っています。

「Re-食器」は、業種を異にする多様な企業や団体が各々に役割を担うことにより生まれた「器」なんですね。

リンク:
Green Life 21 Project
Re-食器ブランドページ

「Re-食器」って本当にエコ?

『GL21(グリーンライフ21・プロジェクト)』活動により、今まで不燃ごみとして埋め立て処分するしかなかった壊れた食器や不要な食器を再利用することができるようになりました。

それにより、ごみの量を削減
また、ごみとして出された廃食器を陶土として再利することで、限られた貴重な天然資源である粘土を節約することができます。

そして、再生された原料を使った陶磁器は低い温度で焼成することができるので、省エネルギーの効果があるという利点もあるのです。(Re-50)

記事:岐阜・美濃焼、粘土枯渇の危機 新たな採掘地探る(日本経済新聞・有料記事)

美濃焼の産地から今、私達が伝えたいこと

器をたくさん作っている業界として、地域として、何か環境にもう少し優しい方向にシフトできないかと開発された「Re-食器」。
ただ食器として使うだけでなく、例えば親子の会話などで

「この器はこういう考えでできた器なんだよ」

と話し合い考える。
「Re-食器」をそんな食育のきっかけとしても使って頂けると本望です。

そして、貴重な資源を大切に使い続けるために…
「Re-食器」を通して、みなさんに環境や地球のこれからに今一度興味を持って、出来ることから一歩一歩取り組んでいって欲しい…。

これが私たちの願いです。

やまにの「Re-食器」ラインナップ







御礼:
市原製陶さん、ヤマカ陶料さん、ご協力ありがとうございました。

リンク:


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