やまに

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カネコ小兵製陶所さんへ工場見学に行って来ました

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Jun14

岐阜県土岐市下石町の陶磁器メーカー、カネコ小兵製陶所さんに取材に行って来ました!
今回は『リンカ』の製造工程と共にカネコ小兵さんについて詳しくご紹介致します。

リンカについて


カネコ小兵製陶所さんが作る『リンカ』シリーズは、アンティーク品のような雰囲気を持ちながらもどこか現代らしさも感じられるデザインが特徴。
テーブルに咲く一輪の花のように、いつもの食卓をパッと華やかに彩る。そんなうつわです。

カネコ小兵製陶所さんについて

岐阜県土岐市下石町にある美濃焼メーカー。
今年(2021年)には創業100周年とのこと!

外観から綺麗な佇まい

カネコ小兵製陶所さんの見学スタート

今回はリンカが作られる工程に沿ってカネコ小兵製陶所さんを見学させて頂きます。

明るくきれいな工場内。とても整理整頓されてます。床もピカピカ。(やまにも見習いたいです)
ここでリンカは生まれています。

工程を示す案内板

こちらは素焼き前のリンカ。
まだ水分が残っている状態なのですこし黒っぽく見えます。

生まれたばかりのリンカたち

丁寧に説明をしてくる伊藤祐輝さん。(左)
ありがとうございます。(右は小木曽)

伊藤さんはYou Tubeチャンネルも運営されてます。
美濃焼のことをいろいろな角度で紹介されていてすごく勉強になりますよ〜!

リンク:
カネコ小兵製陶所KANEKO KOHYO(You Tube)

素焼き窯

素焼きの工程を終えて焼き締まったリンカ

素焼きを終えると水分が抜け、ピンク色の生地になります。

こちらはうつわの裏側につける印、裏印をつける工程。
パッド印刷という方法で裏印をつけています。

ふちの加工工程。一枚ずつ丁寧に行います。
この工程により発色の調整をしていて、あのリンカ独特の雰囲気を表現しているそう。

施釉の工程。
大きなハサミでガバっと掴み釉薬にくぐらせるこの工程はとてもダイナミック。
ですが職人の経験と勘が重要な繊細な工程です。

窯入れを待つリンカ

最後に焼成窯で本焼成をします。

カネコ小兵製陶所さんは還元焼成という方法で焼成しています。
約20時間の焼成を経て出来上がったうつわたち。

出来たてのリンカを窯から出す様子

焼きたてのうつわは陽炎が見えるほど

こうしてリンカが完成します。

工場見学をしながら、いろいろ気づく点があったのですが、カネコ小兵製陶所さん!
とにかく工場内のあらゆるところに様々な工場内の『工夫』がされていました!

綺麗に並べられていた道具類

従業員のみなさんで考える「改善提案書」

そして…

↑この小兵の「小さなしあわせ」の木です。
これは本当に感化されました!
朝礼の時に工場内で働く従業員のみなさんで、最近見つけた「小さなしあわせ」について発表するそうです。
これは働くみなさんのコミュニケーションツールにもなりますし、そんな「小さなしあわせ」をお客様にも届けたいという、作り手のものづくりに対する思いにも自然と繋がると思うんです…☆**

ホント私自身、とても勉強になった体験となりました。

う~ん(^^)感動!!

『リンカ』の生い立ちと理念

カネコ小兵製陶所さんの社長 伊藤 克紀さんからお話を伺いました。

もとはこの岐阜県土岐市駄知地区で盛んだった徳利(とっくり)づくりをメインに行なってきたカネコ小兵製陶所。
そこからもっと、実際に普段よく食器を使う人ができるだけ「日常使い」が出来るものをつくりたい!
そういう思いでリンカが誕生したそうです。

『丈夫でジャブジャブ』

かわいい&気兼ねなく洗える

器は高級であるほど洗う時に気を遣う。
そんな概念を覆したい!
「丈夫でジャブジャブ洗える磁器で、どこまで土ものの手作り感を表現できるか挑戦しよう!」社長さんのそんな発想から制作がスタート。

社長さんの学校の後輩に土で器の原型を作る型職人がいて、声をかけたところ、彼も小兵のコンセプトに賛同してくれました。
通常、原型は石膏で作られますが、リンカは型職人が土で原型を作っています。
土で原型作りができるのは、美濃焼ではこの人しかいないかもとのことでした。

昔から社長が心に温めてきた「菊型」のデザインで、型屋さんと試行錯誤を重ね、食器の端が分厚く欠けにくく、かつ軽く…と、工夫を凝らして型を作っていきました。
形も自然由来のもの。
自然の石などを押し付けて、質感を表現してみたりと工夫を凝らしてあります。

しかし磁器は、焼成前後での収縮率が15%程度あり、収縮の過程で変形もします。
一つの型を作るのに何度も修正を重ね、どうにか形状を増やしていきました。

形状のアイディアは社長と型屋さんだけではなく、社長の奥さんや従業員の方々の意見など、実際に普段から生活の場で食器を使う方々の意見も、とても多く取り入れられています。(小兵さんで働くみなさんも器好きの方が多いのだそう)

生活で日々取り入れて行けるものを作りたいという、社長さんの、カネコ小兵製陶所の皆さんの思いが、うつわに強く込められていますね。

そして、「器はあくまで脇役です」とも、社長さんは言います。

カネコ小兵製陶所 リンカ (輪花) 10cmボウル 桃練 やまに

「料理を乗せてはじめて世界観が出来上がるものにしたかった」と。

器があることで料理がしたくなる器。

実際に「使って」「作って」「盛って」「食べて」そして「会話」して欲しい…

いつものメニューも「お!今日はごちそうかな?」
と自然に会話が生まれ、弾む…。
実際に使う方々のそんな

『小さなしあわせ』

のひとコマを思い浮かべ作り上げたうつわだそうです。

…そういえば、先程工場見学で発見した『小兵の「小さなしあわせ」の木』。
小さなしあわせの木も、そういったカネコ小兵製陶所さんの理念から生まれた取り組みなのだと思います。

カネコ小兵製陶所の伊藤祐輝さん(左)と緊張気味の小木曽(右)

工場併設ショップ 窯や小兵、定期的にイベントを開催しています

製造の工程は伊藤さんの運営するYou Tubeチャンネル カネコ小兵製陶所でも公開していますのでぜひご覧ください!

リンク:

(カネコ小兵製陶所のみなさまご協力ありがとうございました)

うつわのご紹介

今回見学させて頂いたカネコ小兵製陶所さんのリンカシリーズはこちらから。

いろいろあるリンカシリーズですが私の一押しはこちら。
リンカ 10cmボウルの桃練。
三脚になっているところがかわいくて好きです。

色々使いやすい17cmプレート。

スープカップも人気。小木曽家も使ってますー!

ワンプレートメニューに欠かせない24cmプレート。


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