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猫と日本の伝統模様。「ソメネコ」5つの柄にこめられた意味
Jul31
器の柄には、たいてい何かしらの理由があります。波、蔓草、氷のひび割れ。なんとなく「和柄っぽい」と思って見過ごしてしまう模様のひとつひとつに、実は名前と由来と、そこに込められた願いがあります。
「シチタ」の「ソメネコ」シリーズは、そんな日本の伝統模様に、猫のシルエットをそっと一匹添えたシリーズです。柄ごとに違うポーズの猫がどこかに隠れているので、探しながら眺めるのも楽しみのひとつ。16.5cmの取り皿サイズで、5柄それぞれの意味をひもときながらご紹介します。
青海波(せいかいは)

波を扇状に重ねた文様で、日本の吉祥文様の中でも特に古くから親しまれてきたもののひとつです。起源は古代ペルシャとも言われ、シルクロードを経て奈良時代ごろに日本へ伝わったとする説があります。名前の由来は雅楽の演目「青海波」の衣装にこの文様が使われていたことから、とも言われています。
同じ形の波が途切れることなく繰り返し広がっていく様子から、未来永劫続く幸せ、変わらぬ平穏な暮らしへの願いが込められた柄です。着物から建具、器まで、時代を超えて使われ続けています。
唐草(からくさ)

蔓草が絡み合いながら伸びていく姿を図案化した文様。起源をたどるとエジプトにまでさかのぼるとも言われ、シルクロードを通じて世界中に広まった、いわば人類共通のモチーフです。
蔓が途切れることなくどこまでも伸び続けることから、子孫繁栄や長寿、生命力の象徴とされてきました。日本では風呂敷の柄としてもおなじみで、「唐草模様の風呂敷を担いだ泥棒」のイメージが浮かぶ方も多いのではないでしょうか。それくらい、暮らしに溶け込んできた柄です。
十草(とくさ)

「トクサ」という、節のある茎をまっすぐ伸ばすシダ植物の仲間をモチーフにした縦縞模様です。トクサは茎の表面がざらついていることから、かつては物を研磨するのにも使われていた植物。そのイメージも重なって、すっきりとした清潔感のある柄として親しまれてきました。
直線だけで構成されたシンプルな柄なので、和食にも洋食にも馴染みやすいのが特徴です。柄が主張しすぎないぶん、料理を引き立ててくれます。
氷裂紋(ひょうれつもん)

氷が割れてひび状に広がる様子を文様にしたもの。中国の陶磁器、特に青磁の分野で古くから使われてきた「氷裂貫入」という技法・意匠に由来するとされています。
不規則に走るひび割れの線は、ひとつとして同じものがない自然の造形そのもの。見た目の涼やかさから、夏の食卓を彩る器としても選ばれてきました。整いすぎていない、ゆらぎのある美しさが魅力です。
吹き墨(ふきすみ)

ここまでの4柄が古くからの伝統文様であるのに対し、吹き墨はシチタが挑戦した現代的な意匠です。型紙で図案を伏せながら、顔料を霧状に吹き付けて周囲を染めていく技法で、書道や水墨画を思わせる大胆な濃淡が生まれます。
吹きかける力加減や角度で表情が変わるため、一枚として同じ仕上がりにならないのも面白いところ。5柄そろえたときに、ひとつだけ違うリズムを持つアクセントになってくれます。
柄の中の、小さな猫
「ソメネコ」という名前は「染める」と「猫」から。5柄それぞれに、違うポーズの猫のシルエットがそっと隠れています。傘をさす猫、風呂敷を担ぐ猫、筆を持つ猫——柄の由来を知ったうえで探してみると、ただの模様がすこし物語のある景色に見えてくるかもしれません。
直径16.5cmは、取り皿やおかず皿としてちょうどいいサイズ。5柄そろえて、その日の気分や料理に合わせて選ぶのもおすすめです。
この記事を書いた人

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有限会社やまにのマスコットキャラクター。
岐阜県瑞浪市陶町出身、陶器の「陶」の字を冠した人です。
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